- いろいろとご批判もあるようですが、こういう本の大切な所は、
生物多様性ならぬ『情報』多様性を維持することに貢献する所だと思う。
『温暖化している、故に全世界が一致団結すべし』というような理想は、
一見素晴らしいが、世の中の流れがただひとつに集約され、
他の意見や主張を軽視する態度は、一種のファシズムではなかろうか。
昨今マスコミ―一昔前の地球寒冷化説ブームは何処吹く風で―が、
地球温暖化を自明の真理として一方的に情報を発信し、
異なる意見を殆ど取り上げない中、こういう本を一度読んでみるのも悪くないと思う。
生物の授業で、同じ種が近親交配を繰り返し、遺伝子情報を純系化させすぎると、
いざと言うとき、環境の変化に対応できず、その種は簡単に穂滅びてしまう、
というような事を教わった記憶がある。
同じように、(環境問題だけに限らないが)同じ意見や主張を自画自賛して、
考え方を硬直させすぎると、後々取り返しのつかないことにも繋がるのではなかろうか
と私は感じる。 - 環境問題といってもいろいろあるが、第一章の「地球温暖化問題のウソとホント」が最も
今日的課題だろう。
著者はまず、本当に地球は温暖化しているのかと疑問を投げかけ、各種のデータをあげる。
そして、私たちが身近に感じる「冬でも暑い」ー>「地球は温暖化している」という感覚を
ヒートアイランド現象の一部であることを指摘する。
また、温暖化、寒冷化は過去にも自然現象としてあったことを、科学的、歴史的根拠をあげ説明する。
そして、もし温暖化があったとしても、自然的現象なのか、人為的現象なのかわからないし
いわんや、CO2だけの問題ではないことは当然とする。
太陽の活動、宇宙線、局地的な気候、等自然は複雑な要素で成り立っており、CO2の排出を
規制することだけを考えてもほとんど意味がない。ということだ。
著者は、環境問題の根本的誤りを適確に説明している。
但し、その表現が少しばかり、斜めに構えた言い方であるため、読者の共感を得られなかったようだ。
それは、この名著の唯一の欠点であるが、それによりこの名著を、見失うべきではないと思う。 - 先日、ゴア元副大統領とIPCCがノーベル平和賞を受賞しましたが温暖化について
双方の意見が食い違っていることを知る人は少ないでしょう。ゴアが数年で低地が海没
すると主張するのに対してIPCCは50〜100年後・・・。
マスメディアはいつも嘘に満ちています。この本はそんな感情的エコロジーの処方箋
として役に立ちます。ダイオキシンに関してもニュ−スステーションの誤報が問題を
大きくしたことは当時の人には周知の事実ですがいまだにそれを知らない人もいます。
そもそもダイオキシンの問題性が指摘された90年代後半、科学者たちの統計によって
ダイオキシン濃度が激減していることは新聞紙上ですら確認することができました。
そして多くの人が都会や田舎で目にしているように巨大な最新式の焼却場が全国に続々
と出来つつあります(ダイオキシンは発生しない)。とはいえその地域にすんでいる人に
そのことを告げても初耳だ、という人が多いのですが・・。
ただ著者には、今中国からものすごい勢いで流れてくる排気ガスなどの越境汚染、についても
もっと語ってほしかったです。
エコロジストたちが唯一口をつぐむのが、中国からの越境汚染なのですから。 - 本書の主張の一つは、環境問題の対策をするに当たっては、メリットとデメリットを比較検討し、メリットが大きくなるようにする必要があるというものである。4つの環境問題が取りあげられるが、本書によって、世間で広まっているのとは全く違った見方をできるようになる。情報を鵜呑みにしないで、違った視点で考察するということの重要さを気づかせてくれる本である。
- 環境問題に関する議論にはウソがおおいという.同様の趣旨の本として 武田 邦彦 の「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」 (1, 2) がある.本書では地球温暖化問題,ダイオキシン問題,外来種問題,自然保護の 4 点がとりあげられていて,そのうち最初の 2 つは前記書とかさなっている.ウソをあばいて読者がだまされないようにするのはたしかに重要なことだが,本書では現在主流の論点がくずされたあと,かわりにどうしたらよいのかがほとんどわからない.最初の 2 つの問題に関しては前記書のほうがもうすこし建設的な議論をしているようにおもう.
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